行政のメタバース活用事例｜主な目的は地方創生

メタバースは、企業だけではなく、行政も活用し始めています。 行政が本格的にメタバースを取り入れるようになれば、企業にとっても消費者にとっても、新たな可能性として広がっていくでしょう。 そこで今回は、行政がどのようにメタバースを活用しているのか、いくつかの事例を紹介します。

行政がメタバースに取り組む主な目的は地方創生

2023年5月現在、行政がメタバースを活用する主な目的は、地方創生です。
多くの地方では、人工の減少や少子高齢化が大きな問題になっています。
さらに、コロナウイルスの影響があり、観光客が減ってしまった地方もあるでしょう。
メタバースを活用することで、多くの人を地域に呼び込めるようになるため、行政も力を入れ始めているのです。

行政によるメタバース活用の取り組み

メタバース活用のため、各行政では以下のような取り組みを行っています。 ⦁ 総務省によるメタバース研究会
⦁ 内閣府によるメタバース分科会
それぞれがどのようなものか、以下で解説します。

総務省によるメタバース研究会

⦁ メタバースの捉え方
⦁ メタバースの利活用
⦁ データ管理とセキュリティ
⦁ メタバースを支えるデジタルインフラ
（参考：「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」事務局資料）
内閣府が後押し？「メタバース分科会」とは｜総務省）

内閣府によるメタバース分科会

内閣府では、メタバースの活用を促進するため、メタバース分科会を設置しました。
分科会では、メタバースの活用事例や勉強会、セミナーを実施。
新たな活用事例創出の促進を目的としています。

行政のメタバース活用事例

地方自治体の多くは、地方創生を目的としてメタバースを活用しています。
メタバースを活用している地方自治体の取り組みはいくつもありますが、以下では5つを紹介します。
⦁ バーチャルやぶ
⦁ バーチャル白浜
⦁ 志摩スペイン村
⦁ デジタルモール嬉野
⦁ メタバース婚活イベント
それぞれの特徴などについて、以下で解説します。

兵庫県養父市「バーチャルやぶ」

兵庫県養父市では、養父市の魅力を伝えるメタバース「バーチャルやぶ」を展開しています。
バーチャルやぶ内では、様々なツアーが用意されており「1円電車での観光地巡り」や「明延鉱山の坑道跡を見学できる体験」なども可能。
さらに、実在するスキー場をメタバース内に再現し、ソリ体験やゲームまで楽しめます。

和歌山県白浜町「バーチャル白浜」

和歌山県白浜町では、「バーチャル白浜」を開催。
バーチャル白浜内では、メタバース内で自身の作品を出品したりギャラリーを設置したりできます。
白浜という場所を知ってもらう目的だけではなく、収益を上げることにも成功。
地方創生としての活用のなかでも珍しい、NFTを取り入れている事例です。

三重県志摩市「志摩スペイン村」

三重県志摩市にある志摩スペイン村では、メタバースプラットフォームのRobolox上で、志摩スペイン村を再現したエリアをオープンしました。
ユーザーは、志摩スペイン村のあらゆるエリアを歩いて楽しんだり、ゲームを楽しんだりできます。
これまで、志摩スペイン村はアクセスの悪さから客足が遠のいていましたが、メタバースを通じて、知名度を向上させることに成功しました。

佐賀県嬉野市「デジタルモール嬉野」

佐賀県嬉野市では、独自のメタバース空間「デジタルモール嬉野」を解説しました。
西九州新幹線の嬉野温泉駅と周辺の街並みを再現したメタバース空間は、同時に200人以上がアクセスできる巨大なメタバース空間です。
ユーザーは、周辺を自由に散策したり、スタンプラリーを楽しんだり、ショッピングを楽しんだりできます。
また、メタバース内でコインを獲得すると、リアル店舗で活用できるかプセルトイガチャを回すことが可能。
メタバースとリアルを上手く合わせた事例と言えます。

千葉県木更津市「メタバース婚活イベント」

千葉県木更津市ら4市では、メタバース上での合同婚活イベントを実施しました。
イベントは、メタバース空間「GAIA TOWN」にて実施。
メタバース上で出会った同士は、その後リアルなデートへと発展していくとのことです。
自治体が関連するイベントとしては、珍しい事例と言えます。

行政も無視できないメタバース

今後行政がさらにメタバースを活用するようになれば、地域の企業や店舗などにとっても大きなメリットになるでしょう。
そのために、地方の企業や店舗も、今からメタバースに参入できる用意をしておくべきです。
メタバースでオフィスを作ったり店舗を作ったり、今できる取り組みを、ぜひ始めていきましょう。メタバースは、今や行政も無視できないものとなっています。

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